日本人は電話対応なんてしている場合ではない|TELハラ問題への見解

「TELハラ」という言葉を、今年初めて聞きました。

電話が苦手な社員へ電話での対応を指示することに対して、生まれた言葉です。

「電話対応をさせるなんて論外だ!TELハラだ!」といった主張が背景にあるのですね。

これには賛否両論が分かれています。

ここで前提となる電話対応について考えると、そもそも論点がズレていることがわかります。

今回はTELハラの背景にある電話対応についてお話ししましょう。

電話対応の問題点とそれ以上にすべきことについて、私の見解を記事にさせていただきます。

そもそも電話対応はしなくてはいけないこと?

まずは一社員として電話対応をするべきか否かについてお話しします。

結論から申し上げます。

会社で電話対応の指示をされたら、有無を言わず努めてください

仮にあなたは会社の新卒社員として働いているとしましょう。

そしてあなたは電話を受けなくてはいけない地位にいるか、そのような部署に配属されるとします。

その場合は苦しいことを申し上げますが、電話対応はあなたの立派な仕事の1つになります。

もしも仕事として会社の上司から電話対応の指示を受けた場合は、対応に努めなくてはいけません

あなたは部下である以上、上司の指示には業務上従わなくてはいけないのです。

得意・不得意はあるでしょうが、会社の研修をしっかり受けて対応に努めるしかありません。

どうしても苦痛であれば、異動を希望するか退職という選択を取らざるをえないでしょう。

ここまで一社員として指示を受けた場合についてお話ししました。

しかしながら、電話対応そのものは価値が薄れてきているのもまた事実です。

電話の価値がそもそも低くなった

そもそも電話というのは、強制的に相手の作業を中断させて時間を奪う行為になります。

生産性の高い働き方が求められる昨今において、電話など不必要にかけるべきではないのです。

もちろん一部のBtoCのサービス業など、やり取りの方法が電話しかない場合もあるかもしれません。

このような場合を除けば、仕事のやり取りはメールやチャットで事足りるはずです。

現代においては、会社は以下のことに注力すべきでしょう。

  1. 問い合わせフォームを活用してもらう仕組みを整備すること
  2. チャットでの自動対応サービスを整備すること

まず1.について、ホームページに問い合わせフォームを備えている会社は多いでしょう。

しかしながら、会社の電話番号が併記してあれば無駄に電話をかけて問い合わせる人が多くなります

この場合、問い合わせフォームを最大限活用できていないですよね。

より問い合わせフォームを活用してもらえるようホームページの工夫をすべきでしょう。

そして2.について、最近は自動チャットのサービスを取り入れた会社も増えましたね。

自社にIT技術者がいなくても、外注すればサービスを導入できます。

これにより人が対応する手間を減らすことができますので、導入の価値は高いでしょうね。

さて、ここまでで現代では電話の価値が低くなったことについてお話ししました。

そのため会社は、電話の機会を減らす努力をすべきである旨をお話ししました。

以上を踏まえて、会社は電話対応以上にすべき課題があることについてお話しします。

電話対応の研修よりも実施すべきこと

結論から申し上げます。

会社は、それぞれの職種における専門スキルに関する研修を最優先すべきです。

すなわち、ジェネラリストではなくスペシャリストを育てる方針とするべきなのです。

何故なら今後の雇用形態の主流は、スキルを重視するジョブ型雇用です。

終身雇用を前提としたメンバーシップ型雇用ではないのです。

今後の日本において会社が生産性を高めることは、社員の専門性を高めることを意味します。

そのための貴重な時間を、電話対応に費やしてはならないのです。

半分以上が無駄な内容である電話対応をさせ、社員を疲弊させるなど論外なのです。

その時間を、専門性を高める機会に充てましょう!

ではメンバーシップ型雇用で入社した社員には、どのような研修を実施すべきでしょうか。

私の1案として、メールやチャット等のメッセージに対応するような研修が良いと考えます。

仕事において大事なのは、常に論理的に考えることです。

自分の考えを整理するためにも、相手のメッセージを理解するためにも。

そのために役立つのが、文章化する能力です。

すなわちライティング力ですね。

ライティング力は、あらゆる業務の土台となるスキルです。

裏を返せば、電話対応に必要なスキルもライティング力ですよね。

電話相手が何を伝えたいのかを理解し、それに対して的確に答えることが重要だからです。

感じの良さなどは余裕があれば意識すればいいのです。

ゆえに仕事上で汎用性が高いライティング力が身に付くような研修を1つ提案してみました。

まとめ

以上、会社の電話対応について私の見解をお話ししました。

  1. 一社員として会社から電話対応を支持されれば務めるべき。
  2. 会社の方針としては、電話対応する機会を減らすべき。
  3. 会社は電話対応以上に、より合理的なスキルを身に付けさせるべき。

TELハラという言葉をきっかけに、世の会社がより合理的な組織になってほしいですね。

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